2015/11/05

境界線①~ボーダーライン~

あまりにも放置しまくりなので、たまには更新。
まずは昔話から。


まだ占い師の仕事をしていた頃。
その年のクリスマス、ある同業者主催のパーティに呼んでいただいた。
レストランを貸しきって行われたパーティでは、
以前からの知り合いもちらほら。

そのうちの一人、後輩のSさんと隣り合って座ったものの、
人見知りをしない私は、
近くに座った別の知人の友人を紹介してもらうなど、
初対面の人との会話に盛り上がり、
それなりに楽しく過ごさせていただいた。

場もお開きという頃、
私は隣に座っていたSさん・・・の不機嫌な様子に気がついたり。
私は私で、私側にいた別の人たちと盛り上がっていたけれど、
SさんはSさんで、その子側の人たちとおしゃべりをしていたから、
てっきり楽しく過ごしているものだと思っていたんですが。

駅までの帰り道。
「信じられない! なんて失礼な人なんだろう。
もー気分悪いっっ いやだ、二度と会いたくないわ」と・・・。

「あの人、Tさんとか言う人・・・
なんか誕生日聞いてきたから、
答えたならば、勝手に人のこと占い始めて、
聞いてもいないのに、アドバイスしてきて、しかも決め付けなの、
あーしろこーしろ、あなたはこうなる、こうだからって説教まじりで、
何なのあの人!? 」

「・・・そんなことがあったの?」

これには私も口があんぐり。

何故って、占い師が集まってるパーティです。
集まってるのは全員プロ。
そこで今日会ったばかりの同業者に、
頼まれもしないのに勝手にアドバイス押し付けるって?? は? 
共通の話題として、
「占術」や「現場」の話が出るのはよくあることですが・・・。

まあ、手持ち占術のジャンルが違う者同士で、
お互いで占いっこ(?)、というのもないわけではないですけれどね。

ちなみに、Tさんは年齢こそSさんより若干上だけれども、
最近占い学校を出たばかりの新人さん。
対して、Sさんは私にとっては後輩だけど、
それなりにベテランさんの域にある人なのでした。
そういう意味でも、ありえませんが。


・・・まあ、そういう風に、
「占いたくてたまらない人」・・・というのもたま~にいますかね。
この場合、占いをしたいのではなくて、
占いを振りかざして、他人に何か言いたくてたまらない人。
ホントは占いでなくても何でもいいわけで、
他人との力関係において、優位な立場に立ちたい、
何かを傘にきて、自分の権威を振りかざしたい、っていう
エゴイズムを持ってる人というのかな。


私もそういう人に出合ってしまったことがあります。

私が占いを独学で身に着けたのは学生時代でしたが、
お金をもらう「仕事」にしたのは、
正社員とかアルバイトをいくつか経験して後、20代半ばのこと。
で、10年位前のことだったかな、と思うのですが、
それでも10年は占いの仕事をしていた頃でしたかね。
その頃は、原稿の執筆くらいで、
あんまりお客さんを見ること(鑑定の仕事)していなかったんですね。

どうしてその人と会うことになったのか、
いきさつは忘れてしまったのですが・・・
一般のOLをしている友人の、友達というその人と初めて会ったとき。
なんでも、最近占いの仕事をするようになって、
某所に出ているという話題が。
「ふーん。そうなの(ああ、あそこか)」って感じで、
その人個人にの話には、
どうしても興味がもてないからスルーしてたんですけど。

「アルマさんも占いするんですって? 
何ならこのアタシが仕事紹介してあげてもいいわよ」

と・・・あれやこれや始まってしまった。
つか、こっちが聞いてもいないのに、当人盛り上がっているし。
こちらは目が点になってしてしまって、何もいえない・・・。
口を挟めないというか、聞いてもらえないというか(余地なし)。
いや、あの・・・。
私、(まだ始めて半年の)あなたより、この仕事長いんですけど?
あなたが「○○先生、すごいわ、あこがれるわー」
といってるその人は、ちゃん付けで呼んでる後輩ですけど、何か。

とは言えなかったり。
まー 友達の友達ということで、
場を白けさせるというか、雰囲気悪くするわけにもいかず。


あなたが名前を存じ上げているような、
有名な先生様でなくてスンマセンですね・・・って、感じかな(笑)



でもまー

上記にあげた人たちみたいに、
「私は占い師である、えっへん、せっかくだから占ってさしあげよう!
私に占ってもらえるなんて、あなたラッキーよぉ!
光栄に思いなさい、ヲホホホホホ」

・・・みたいな、極端な天狗ちゃんたちはごく少数で、稀(と思いたい)。


たいがいの占い師が出合ったり、悩まされる職業的弊害?としては、
その真逆のパターンで、

「え゛ー? 占い師なの?? ちょっと見てみて!」
と、手を差し出されること。

(手相観ぢゃないんだけどなー)

というツッコミを心の中でしつつ、

「いや・・手相は見ないんで」というと、
「ぢゃ、誕生日がわかればいいのー?」そういう流れになる。

だいたい、決まりきったパターン。

「仕事以外では観ないから」「仕事とプライベートは区別してるんで」

と、答えると、決まってかえってくるのが、
「ケチ!」というようなお答えや不満気な反応。


まあ、そんな風に職業を言ったことで、
いろんな人に「手」を差し出される占い師たちは数知れず。
たぶん、ほとんどの人が一度は経験しているのでないかと。

・・・すべての人が「手相」を習得しているわけではないんですけど(ため息)。
それが世間サマの占い師のイメージなんでしょうね。


でもって。
占いの仕事を始めたばかりの頃、やはり悩まされたことがありました。
私だけではなく、似たような悩みを経験した人は少なくないようです。

占い師になってから知り合った人との関係では、あまりないことですが、
占い師になりたての頃、
私が占いの仕事をするようになった、という話を聞いて、
それ以前からの知り合いが、「ぜひ占って」と言って来たとき、
こちらがケジメをつけるため「仕事だから、お金はもらうけど」というと、
「友達から、お金を取るの?」と・・・。

これは残念なことに何人かいましたよ。

それと、それまで私に相談話など、
してきたことがなかったような人に限って、
占いの依頼というのではなく、
あきらかに「そのようなアドバイス」を期待しての、
相談をしてくるようになったこと。

たいていそういう人たちは、私が、彼女たちが期待するような、
占いやら霊感に基づいたアドバイスをしないで、
私個人としての見解や意見しか言わないと、
思い切りガッカリ感を漂わせ、それに対して腹を立ててきたりなんかする。
モロには言わないですが。

これはとても気分の悪いものでした。

友達であることのお得感、味わいたい人たちというのはいるものです。
人間関係での損得勘定といいますか・・・
利用価値があるかないか、で図るところがあるのかな。
確かにこういう人たちは、他人を利用するところがあったり。
そういう人たちとはやはりご縁は続きません。
このような時、自分の人を見る目の無さに、
がっかりするしかないわけですが。


きちんとしている友人は、
「占い師の人に頼もうと思ったときに、誰がいいかわからないけど、
○○さんなら友達だから信頼できるからお願いしたい。
正式に仕事として観てもらいたいので、正当な報酬を請求してね」
って具合に、先にお金のことをちゃんと言ってくれるんですよね。
向こうのほうから、ケジメをつけてくれるといいますか。
貸し借りなしのライン引きをしてくれるの。

そういう友達からは、逆に「友達だもん、お金なんて」と言いたくなります。


そうですねぇ。
お金が発生するライン、というのは微妙なところではありますね。
友達間はとくに。身内はまた別になるのでしょうが。

占いやスピリチュアルな仕事に限ったことではなく、
特定の専門職にある人は、その専門職であるが故に、
知人友人に頼られたりする過程や個々のケースにおいて、
賃金の発生する仕事になってしまう部分と、
そうではない、あくまで職業上の知識での手助けの部分、
このボーダーラインには悩むところだと思うのです。

例えば、美容師の人が、
髪のケアの相談をされたり、美容室でカットを依頼するとき、
どのように伝えれば自分の望んでいるヘアにしてもらいやすいか、
なんてそんなことを友人に、聞かれたときには気軽に答えられても、
自宅で購入した髪染めをするのに、手伝って!と頼まれたとき、
ヲイヲイ、それは違くね?って思ったり、

医者の人が、
これって病気?とか、何処の専門医がいいかな?的相談はまだしも、
病院行く時間ないけど、会社休むのに必要だからって、
診断書書いて~処方箋書いて~他の人に頼めないし・・・みたいなのは、
ふざけんな、となってしまうように。

その線を越えてしまうと・・・というボーダーが、あったりします。

これはとっても微妙で難しいとこなんですけどね。

どこまで奉仕としてするべきか・・・どこからお金を取るべきか・・・

その線引きはきっちりつけておかないといけません。

でないと、トラブルも起こりやすくなるし、
いつでも何処でも、便利屋みたいに頼られ、
そこらかしらインスタントに呼び出されて、依存され、振り回され、
(真夜中だろうがこちらの都合はお構いなしに)
人を利用するだけの人たちにいいように扱われてしまいますから。

対人関係のもめごとを避けるためにも、
職業人としての自分と、プライベートな自分というのは、
きっちり時間も関係も分けて考えるのが、
自分を安全なところにおき、消耗させないことでもあるし、
結果的に双方のため、相手のためでもある。

関係性のボーダーラインをはっきりさせておくことは、
人間関係を破綻させないために、必要かつ重要なことだったりします。

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