別れの来ない出会いはない。
人は死に向かって生きており、
共に人生を生き、同じ道のりを生きていたとしても、
やがて「死」が互いの居場所を引き離す。
出会ったときから、別れは常に付きまとう。
いつか必ず別れの時は訪れる。
どんな風に「別れる」か…
互いの関係性をどんなふうに締めくくるのか、
出会いと別れまでの物語をどのように飾るのか、
心の中の、思い出という置き場所にどのようにしまい、
どう位置づけるのか…
それだけ。
どんなに大好きな相手とも、大嫌いな相手とも、
憎くてたまらない恨めしい相手とも、
憧れの人であっても、
さみしいかな、「会わない」「会えない」という選択以外に、
「死」が確実に互いの居場所を分かつのである。
別れの日は誰にでも公平に訪れる。
和解は生きている間でこそ。
「あの世」での再会なんて幻でしかない。
死んでしまえば、その人生での出来事も、
お互いのことも、何もかも忘れてしまうので。
だから、生きている間に、
仲良くできる人とは仲良くしていたほうがいい。
二度と会えなくなってしまう前に。
できるだけ会いたい人とは会っておいたほうがいい。
「別れ」の日は、望もうが望むまいが、
思いがけずあっという間に訪れてしまうのだから。
下手なプライドに振り回されて、
意地を張って、強情でいる間に、
相手はこの世から去ってしまうのだから。
すべてを失って後悔した後には何もかもが手遅れなのだから。
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