2018/10/30

知らぬが仏

今回はblogの主旨や内容とはちょっと異なる話。
どうでもいい、独り言です。

我が家にはテレビがないので、
空いている時間は、よくYoutubeを見ているのですが、
一時なんてことない、
とある人が料理を作っていて、
その家の窓からのぞく風景とかお天気の様子を
日記のように綴った、まるで童話のような動画…
にはまって、ほっこり癒されていたのですね。

何て言いますか、レシピ動画ではなく、
単純に料理を作っている手元を映しているだけの動画
それだけなのに、すごく伝わってくるものがあるんです
毎日を丁寧に生きる大切さ、その良さを教えてもらった
そんな清々しい優しい気持ちになれるのです

で、基本的には手元しか映っていないので、
コメント欄に書かれていることを見ますと、
皆さん、その方のことを
女性だと思われているみたいなんですね

ご本人、性別は書かれていないし、
とくにそうしたことを語られてないんですけど、
一回だけおっさんです、とレスされている箇所があるのと、
ガスレンジ横のステンレスに姿が映っている回があって、
男性だなってのが判るわけです

あと、そこ見なくても手と骨格かな
手首の太さとか、そういうの見れば
女性としてはがっちりしていると気づけるかと

であるのにも関わらず、
料理動画=女性という認識つーか先入観で、
書き込みをしている方が多いんですね

「すごく量を多く作りますね」
「ご飯てんこもりに食べる、あなたが好きだ~」

そりゃ男性ならそのくらいの量、
ふつー食べますって、量なんですけどね
むしろ少ないかな?って、ハイ

でも、私も最初は女性かと勘違いしていました
動画の構成というか作り方が女性的ではあって、
何となく一人暮らしのナチュラル志向の女性
そういう人物像をイメージさせる動画なので、
フィルターかかっちゃって先入観から、
女性にしては指関節がややごつくて、
手首も骨太でってのが目に入らず、スルーされてしまい、
女性にしか見えなくなってしまうのかな

とはいうものの、
性別でどうのこうのは動画の内容には関係ないですけど

そして、
一人暮らしを愉しんでいる独身女性の日常のヒトコマ
と思って、
そういうお料理好きで家庭的で、
華美な贅沢はしない地味で華奢な女性を、
イメージしている人に、あえて、
「この方、男性ですよー」と伝える必要もないのであった



で、
こんな風なネットの向こうでの勘違いから、
ふと思い出したことがありました。

それはバブルの少し後のこと。
新聞だったか、車内購読紙だったか、雑誌だったか、
何かの記事だったかは忘れてしまいましたが、
読者さんの投稿で新幹線にまつわる、
思い出かエピソードを綴ったものでした。

どんな文章だったか詳細は忘れてしまいましたが、

「バブルの頃、大阪に出張に行くことになったが、
 その時、新幹線で『お隣、よろしいですか?』と、
 隣に座ってきた女性と言葉を交わし、
 自分が大阪に今夜は宿泊するのだというと、
 『自分も大阪に行くので、夕飯をご一緒しませんか?』
 と誘われ、ドキリとし、一瞬迷ったものの、
 何時に仕事が終わるか判らないし、
 既婚者であることもあって断った
 けれど、後で宿にチェックインしてから、
 OKと返事をして一緒に食事をしていたならば、
 何か旅先での一夜の夢のようなことが、
 自分の身に起きたのかも知れない…と、

 ちょうど巷では「失楽園」など、
 渡辺淳一氏の不倫ロマンスものが流行っていた頃で、
 そのような作品の内容が頭をよぎって、
 そうした小説のようなことが、
 自分に起きたかも知れないのに、
 融通の利かない性格から、
 もったいないことをしてしまったのだろうか…

 だけどそういう小説の主人公のような、
 たまたま隣り合った、
 見知らぬ女性に声をかけられるという稀有な体験、
 もしかしたら旅先の恋になり、
 そこから始まったかも知れない出逢いが、
 自分にもあったというのは、今では良い思い出である」
 
なんかまあ、そんな内容でありました。
不倫は美化しちゃいけませんけど…
当人的には「ちょっとドキドキした想い出」
忘れられない旅先での出会いで、
目を細めて眩しく思い出すことなんでしょうけども

「ああ、この人って…

  知らないって
 実に素晴らしいことだなあ」

 と、思いましたのよ。

はい。

バブルの頃、新幹線売春てのがありました。
今もあるかどうかは知りません。
(JRが対策に乗り出してからほぼ壊滅したと思いますが)

はい、この人の体験てソレです。

新幹線の自由席に限るんですが、
単身で出張していると思われるであろう男性を見つけると、
「隣、座ってもよろしいですか?」と声をかけ、
目的地を聞いたり、ホテルを聞き出して、
「ご一緒しましょう!」ということで、
観光を一緒にしたり、
同行者ということで相手のホテルにinして、
お金を請求するお商売が。

いかにもソレに引っかかった…
いやさ引っかかる直前だったんだなあ、この人。

でも、
そういうのがあるってことを知らない、
この人にとっては「旅先の美しい思い出」
新幹線の中での美しい女性との出会い
に美化されているんだー

わかる人にはわかるけど、
わからない人にはわからないから、
まっいっか、ですが。

しかし、この投稿の掲載を決めた編集さんは、
こういう商売が世の中にあったことを知らないのか?
とも思いますが。

こういうお商売が世に存在していたことを知ってる人や、
実際引っかかって痛い目にあった人たちからすると、
「アイタタタタ」って、
ひきつりながら苦笑して読んでいるんだろーな、と思った。
(ふつーみんな声かけられた時点で、
 素人ではない商売女だって気づいて、
 話に乗るんだけど、気づかない人は、
 後で料金請求されて揉めることもあったらしい)


世間知らずと言えばそうで、
とはいうものの、
一概に知らないことを責めることも出来ませんが。
けど、不用心なのもどーかなって。
(当時の新幹線売春に関しては、
大手なんかだと注意勧告する会社もあったみたい
ま、出張で会社が宿泊費出しているのに、
んなことするなーってのはありますものね
でも確か、
大きなニュースで騒がれたことはないように思う)

そして世の中には色々なお商売があるというか、
手を変え、品を変え、
時代に適応して、あらゆることを商売のタネにする、
そういう人たちっているもんです
(オレオレ詐欺も最近は電話やメールでなくて
ハガキで総務省を名乗ったりするらしいし)

ちょっと考えれば「おかしい」って気づくようなことですが、
脳内フィルターがかかってしまうとお花畑になってしまって、
なんていうか、
自分に都合の良いドリームな物語に、
ドラマティックに演出されてしまう…ってのは、
どうしてもあるんですよね

結局、その人が「目の前で起きている事象」を、
どう捉えて、事実に認識して、感情が反応するか、
だけだから。

まあ、
この人が今生で真実を知る機会があるかどうか
その後で誰かに指摘されたかどうか知りませんが
知らないままなら知らないほうが、
夢は夢のままで美しく彩られた、
平凡な日常に訪れた、一片のトキメキを伴った出来事として、
宝石箱のように胸にしまっておいたほうが
この人にとっては幸せなのでしょう

そういうことが世の中にはたくさんあります

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