2020/03/09

夜明け前と脱皮



夜明け前がもっとも闇が深くなるが
空けない夜はなく
朝が来ない一日というものはない
サンライズサンセット 
日はまた昇る

長いトンネルを抜け出た先には
いつも光が待っている

絶望を知らずして
希望を持つことは出来ない
不幸を知らないことには
幸福も味わうことが出来ないように



私たちはみんなたった一つの魂を持っていて
その魂は人としての人生を何百回も繰り返す
魂としてはその何百回もの人生は
様々な経験にしか過ぎず
成長の過程において通ってきた道程にしか過ぎない

輪廻転生は長い人生の中で何かの区切りをつける
年度切り替えのような通過地点のようなもの

その一つひとつの人生は
魂全体としての人生(歴史)の中においては
今わたしたちが生きている人生での
ほんの一年位の期間内に起こる出来事の如く

とはいえ過去の記憶がリセットされ
新しい環境と身体を得て
様々なことのやり直しが可能になるのだから
今生というひとつの人生での去年・今年・来年
とまったく同じに考えることは出来ないが

輪廻転生は
忘れたくないこと忘れられたくないことも
忘却の彼方に追いやって葬ってしまうが
忘れられたいこと忘れてしまいたい過去を
ある程度は消し去ってくれる

忘れたい過去があり
忘れたくない過去もある
忘れられたい過去もあるし
忘れられたくない過去もある

辛かった記憶 理不尽さに耐えた日々
地面に叩きつけられたような無力感
哀しみや苦しみの涙に袖を濡らした夜
憎しみと怒りの炎に引き裂かれた胸の痛み

愛しい人の香り 幸せの匂い 
幸福に彩られた楽しい歌声
悦びに満ち溢れた心弾む感情のカケラ
湯気の向こうの懐かしい誰かの笑顔


記憶は忘れても痛みや傷は消えず
その傷を抱えて新しく作られた傷と
その痛みと疼きに悩まされつつ
新しい人生を生きながら
私たちはその傷を癒し
自らを成長させる魂の旅を続ける

なぜ生きるのか
なぜ自分は生きているのか
自分はどこに行こうとしているのか

本当の生きる意味や魂の目的を知らないままに

それでも私たちは生きている
どんなに辛くとも
私たちは生きねばならない

人生に逃げ場所はなく
この命に終わりはない

ただ前に進むしかない
この人生の終わりを自分で決めることはできない

ひたすら生き抜いて
生きて生きて 
生き抜くしかない
この人生を全うさせるために




輪廻転生のときのように
自分自身が忘れてしまいたいこと
周囲に忘れて欲しいことを忘却の彼方に追いやって
すべてをリセットして新しい自分になって
やり直すことが出来ないのが今生ではあるけれど

それでも私たちは毎日朝を迎えるたびに
新しい自分に生まれ変わるチャンスを与えられている

肉体の細胞も7年ごとに再生しているし
人生も運命もいつだって
やり直すチャンスを私たちに与えてくれている

昨日までの自分 過去の自分
好きになれない自分自身を変えていくチャンスを

求める未来を創造する力と選択権は
いつだって私たちのもので個人に委ねられている

いま・・・という人生をかつての
自分が創造して選択し自分自身に与えてきたように

私たちには過去から脱却する機会が
いつだって自由意志で与えられている

何を選び 何を捨てるのか

生まれ変わりたいと思うならば
来世に延ばさなくても
未来まで待たずとも
今この瞬間に生まれ変わることを選べばいい

新しい自分になることを決心して選択すればいい

過去の自分を捨てて
新しいそして本当の自分になるために
本当に生きるべき自分の人生を選択するといい

来るべき未来の姿になるために
いまここで決断して宣言するべきだ

私は脱皮する
私は古い自分を捨てる

過去の傷ついた自分を解放する
過去の傷や痛みはもう必要ない
私を苦しめる
被害者としての人生とはもうオサラバする

何度でも生まれ変わり
私は脱皮する
この人生においても
変わりたいと思えば思ったその瞬間に
私は何度でも過去と決別して
自分自身や人生を変えていくことが出来る

私たちには自分自身の人生を
自ら軌道修正していく力が備わっている

私たちがそれを望みさえすれば
いつだって生まれ変わって
自分をやり直すことが出来る

何故なら自分を育てるのは自分自身だから
自分の人生が自分を育てる土壌だから

いつだって私たちは自分の人生を選びなおせる
自分自身をやり直すことが出来る

確かに変わることは簡単ではないけれど
変わりたいと思いさえすれば
羅針盤はその方向へと進路を示してくれるから
時間がかかっても辿り着きたい場所に導かれる


だからもうちょっと
もう少しだけ

夜明け前まてもう少し
分娩の時を待つだけ



人生は生きるためにある
私には心と魂を捧げてそれを生きる意志がある


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