2015/10/31

スピリチュアル・カルテNo.17「原爆の傷あと」

ファイルケースNo.17「U・Tさんの場合」


魂は肉体に宿るのではなく、 実のところ、肉体を内包している。
(魂、という言い方は語弊があるというか、正しくないが)

ある意味では、オーラも魂であって、
肉体に位置している部分は、魂をひとつの細胞だとすると、
その細胞の核のようなものだといってもいいのかもしれない。
(正しくは、オーラも肉体も魂が作り出した、移し身なのだが)

魂は、過去の肉体のデータを持っている。

自分がどのような形状をとってきたかを・・・
まるで形状記憶スーツみたいに。
直前の人生で男性だった女性は、魂がそれを覚えているから
なかなか女性の肉体になじめないことがある。
(女性にばかり生まれてきたり、男性にばかり生まれてくると、
あまり使用したことのない肉体、環境、
ジェンダーに要求される事象に適応しにくい、ということ)

また、女性のジェンダーをあまり経験していないと、
女性らしい肉体を「形づくる」のに苦労する。
男性も同じで、直前の人生で女性だったり、
女性というジェンダーばかり経験していると、
男性らしい肉体を作るのに苦労するので、線の細い肉体になってしまう。

まあ、ストレスの多い環境で妊娠すると、
DNAが損傷してしまって、配列が狂ってしまうこともあるから、
魂の肉体化が失敗したことだけが、
男性らしい女性、女性らしい男性を形作る要因ではないんだけどね。

(※戦時下において空襲にさらされた地域では、
 性同一性障害の生まれる確立が高くなることは、立証されている。
 おとこ、に生まれると、戦いの場に行かなくてはならないからなのか・・・
※生物学では最初すべての人間はメスとして生まれ、
 男性はその後オスへと変態していくのですね。
 なので、そのオス化に失敗したり、
メスとオスの中間に位置してしまうのが
 キメイラなどの配列失敗というか・・性同一性障害が生まれる所以
 そのことには、母体となる人の精神状態も大きく関わっているという話)

直前(前世)のデータが一番、今の肉体に影響を与えるけれども、
今生で生まれてきた人種を過去に経験していると、
その時の記憶から、何百年も前の特徴が肉体に現れることがある。
同じ民族でなくても近しい人種だと・・・。

魂の状態が肉体に現れ、それを形作るように、
肉体の状態が魂に影響を及ぼしたりもする。
例えば、アルコール中毒や煙草の害、アヘンなどは
肉体を通り越して魂を毒する。
刺青も次の肉体に影響する。
大体において、次の次の人生まで、傷跡は癒えることはない。
そして、大きなケガなどの肉体の損傷ももちろんのこと。
その場合、何度となく転生を繰り返す過程において、
肉体は受けたダメージを癒していくことになる。

つまり、
一度損傷した、ダメージを受けた肉体が滅びて新しい肉体を得たとしても、
以前の肉体の問題(病気や怪我で損傷した状態)は新しい肉体に現れる・・・
ということ。

だから、死んで新しい身体を得れば、
今の肉体の特徴や疾患とおさらばできる・・・
というわけではないということ。
怠惰に肉体を甘やかして肥満体になっていたり、
肉体を酷使しすぎた結果も、
傷跡も、悪くしてしまった内臓も、
次の肉体にしっかり反映されるので。
なので、今の肉体を大事にし、ケアすることは意味がある。
鍛えたり、美しく磨いたり、健康を維持することも・・・
これは後の身体造りにしっかり生きてくるので。


私が育ったところは千葉の工場地帯。
某大手製鉄工場で支えられていた町で、
夜はいつも工場の炎で赤く燃えていた。空は煙で灰色で。
そんなんでクラスメイトは喘息、気管支炎ばかり。
学校では、光化学スモッグ注意報で校庭に出れないこともざら。
当時は他人の過去生なんて見ることはなかったけれど。
後に、喘息で苦しんでいる友人の過去生がたまたまみえちゃって、
「ああ、その後遺症なんだ」と思ったりした。
ようするに、過去生で肺病・・結核で亡くなっていた人なんだよね。
この病気で死んだ人は多いし、うつる病気であったから、
周囲から忌み嫌われて孤独のうちに死んだり、
絶望した人も多かったから、
その時の心の傷と一緒に残っちゃっているんだよね。
もちろん、
喘息の人がすべて過去で結核だった、ってわけではないけれど。

アトピーの人も、これまた全員ではないけれど、
見ると、原爆や焼夷弾などで焼け死んだ人が多かったりする。
皮膚が焼け爛れて死んだから、その情報が残ってしまったんだ。
しかも、比較的最近の傷なので、癒えるには時間がかかる。

こころに焼きついてしまった、
「恐怖」を完全に取り除くその日までは・・・



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さて、その人はとても可愛らしいお嬢さんだった。
けれども、いつも虚無感といいしれぬ不安につきまとわれていた。
そして悪夢と恐怖感に怯えてもいた。

彼女のオーラをチェックすると、
オーラ自体に「焼け爛れた」ような焦げあとがある。
初めて見るもので、頭の上は「???」になった。

これ、なに?

しかも、「焼き付けられた」ような、
空間がねじまがったような、ヘンな焦げ方・・・
うまく説明できないのが、もどかしい。

・・・ああ、彼女は広島の原爆で亡くなったんだ。

焼け爛れた町、地獄絵図のような風景が目の裏に飛び込んでくる。
そこにあった町の面影はない。

ここにいたはずの人々の肉塊すらも、判別できない。
「彼女」が所有していた肉体すらも見つけることはできない。

余談だが
その昔・・・日航機が墜落するその一ヶ月前、
彼氏んちで昼寝してたとき、その光景を見たことがある。
白昼夢のような・・・予知夢というものだったか。
山の中に散乱する鉄片と化した機体、湯気のように立ち上る硝煙
そして・・・数時間前、数分前までは「人」
であった肉塊と肉片、ちぎれた手足など。

それも血肉バラバラでむごたらしかったが・・・
そっちのほうがまだマシだったかと。
(でも、予知だとすると、あの墜落は一ヶ月前から決まっていたことだと?
それが避けられないことだったとすると、なんと悲しいことなのだろう)


その人生での彼女も今と同じ女性で、10代のおさげの女の子だった。
モンペをはいて、肩からバッグをかけて、
ひとりで何処かに行こうと歩いていたその時、閃光がはしった。
一瞬で彼女は消滅した。
彼女は帰りたかった。家族のもとに。
肉体を失くした魂はしばし、その場所をさまよい、放浪した。

彼女はその人生で、自分の半身を残してきてしまったようだった。
残留思念(エレメンタル)として片付けるには、悲しい。

彼女がうなされていた悪夢は原爆の恐怖で、
死んだことを理解できなくて、
地獄絵図となった街を何が起きたのかもわからずに徘徊したときの
「孤独」と「恐ろしい風景」が心に残っていたのね。
肉体はその時すでに滅んでいたのに。
確かに、一瞬だもの。
何が起きたのかも判らないで死んだわけだし。
そういう意味で、
肉体が滅びいてくことを自覚しての死はまだ幸いなのかもしれない。
その心のキズは彼女の心にも、肉体にも残ってしまっていた。

こういう民族としてのカルマの犠牲になった人、
大きな事件にあった人は、新しく生まれてくる時に、
集団としての責務を担ってくることが多い。
また、インディゴと呼ばれる世代であり、彼女もそのひとりであるので、
「平和に世界」を創ることをお役目としてもっていたりするのね。
そして、インディゴチルドレンは大多数の可能性で
過去生を覚えていたりする。

彼女は「やっぱり、そうだったんだ」と納得したようだった。
もしかして、そうかな・・と思いつつも、確信がなかったと。

その後、「広島に・・・いきたい」と。
彼女は自主的に二度ほど広島に行っている。
彼女の親戚が広島にいるので!(なんという縁だろう)

去年の初夏から通い始めて、
4ヶ月くらいで原爆で受けた心の傷は癒えた。
いいしれぬ不安や恐怖に襲われることともなくなり、
悩みといえば「恋」と「将来」のことだけになった。
もう今の彼女には一年前に抱えていた「影」のようなものはない。
残してきた半身たるエレメンタルも、本体と切り離すことが出来た。
(心を取り戻したといったほうがいいかもだけど)

あとは夢を実現させていくだけだろう。

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