ケースファイルNo,9「O・Mさんの場合」
動物の魂と人間の魂というのは、しくみがまったく違う。
だから、動物が人間に生まれ変わるということはありえないし、
人間が動物に生まれ変わるということもない。
けれども、
時に人間に動物の霊が憑くということもあるし、
その逆で動物に人の霊が憑くこともあったりする。
そういうと、憑依というあまり宜しくない状態のほうが、
一般的なイメージになってしまうんだけど・・・。
動物の霊といわれるものが、人の傍にいる場合、
ガイドとして側にいてくれる場合のほうが圧倒的に多いとだけ言っておこう。
補足として言うなら、動物を動物の霊が助けている場合もある。
人間にも守護霊(主護霊・指導霊・支配霊・補助霊etc)がつくように・・・。
(でも、守護霊というのは
私たちが勝手にそう役職づけをして呼んでいるだけで、
そう呼ばれている人たちは、『私、このものの指導霊をしているものです』
なんて名刺を差し出して、自らそう名乗るわけではない)
あるクライアントさんのオーラをチェックしていると、
足元の下に何かもこもことした手触りを感じた。
「?・・・なんか、このくらいの大きさの動物が足元にいるんですけど?
毛だらけの・・・猫?うさぎ?何?」
「あ、ウサギ飼ってます」
どうやら、霊体?が抜け出して一緒にくっついてきているのか・・・
あるいは、オーラの中にその痕跡が残っているということなのか。
その区別がわからないのが、もどかしいところ。
でも、ふだんそのウサギはしれっとしてて、
飼い主曰く、かなりのクールガイ。
なついているという感じをまったく見せないそうで。
飼い主曰く、
「実物は冷たいのに、オーラにくっついてきているって、よく分からんヤツ」
ごもっとも。
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さて・・・・
そのクライアントさん・・・
Oさんのオーラをチェックしていると、
草原が見えてきて、何かが手に触れた手ごたえがあった。
「?・・・でかっ!」
鹿だった。
小鹿のバンビみたいな、小さいヤツ・・・とはいっても、
中型犬よりはでかいか。
まさか、いまどき、鹿なんて飼っている人はいないよね?
しかも都会の真ん中で(ミニブタは流行っているそうだが)。
なんで、鹿がオーラに存在しているのよさっ!(何故かピノコ口調)
彼女に聞いても心当たりなし。
「猫は飼っているけど?」との話。
頭に?マークつけながら、とりあえず続行。
オーラをチェックすると、
彼女は親の期待に応えようと、
一生懸命背伸びしてきた子だというのが判った。
早く大人にならなければいけないと、
自分の中の、まだ子どもでいたいと思う気持ちを押し殺して、
「いい子」であることを自分に強いてきた人。
傷ついたインナーチャイルドが彼女の中で泣いていた。
彼女は小さいころから、習いたくもない楽器を習わされて、
児童劇団に入れられて・・・
でも、それはやりたくないことと言えずにいたんだよね。
あげく、両親の離婚にも傷ついていた。
自分が良い子でなかったから?・・・という罪悪感も抱えて。
親の彼女に対する期待がエネルギーとしてオーラを覆っていた。
まずはそれを消去する必要があった。
未来の扉が閉まっていて、過去の荷物がぐちゃぐちゃになっている。
とにもかくにもひたすらゴミ捨て・・・
こんがらがった過去の荷物も整理しないといけない。
エネルギーを流すとき、
私はクライアントさんの魂たるオーラの中に入り込む。
その時に情報が伝わってくることが多い。
オーラの中には、だだっぴろい風景が広がっていた。
明るい草原、近くには川が流れている。
どうやら、ヨーロッパのよう。イタリアとフランスの境のようだ。
彼女はその人生で男の子だった。まだ少年という感じの男の子。
おじいさんと2人、その場所でキャンプのような?
野宿をしている。
犬がいて、そしてさっき見た鹿の姿もあった。
彼女・・・その少年は捨て子だった。
ジプシーくずれのそのおじいさんに拾われて、育てられたようだ。
おじいさんは楽器を弾く大道芸人?のような
その日暮らしの生活をしている。
カーニバルのようなイベントを渡り歩いて、見物人からお金を稼ぐ。
犬を連れているのは、防犯のためでもあるらしい。
ここまで確認して、ハッ! まるで、家なき子じゃん!
まんまレミではないですか~!と思った。
鹿は、たまたま親にはぐれて怪我をしているのを助けたようだった。
季節ごとに動くので、その場所にいるのはほんの数週間。
場所によっては1日しか留まらない場合もあるし、
一ヶ月くらい同じ場所に滞在することもあるらしい。
人生の大半を過ごしたわけでなく、
ほんの数週間、助けてあげて一緒にいただけの鹿・・・。
その鹿が、今生の彼女に「ついて」いるのだ。
鹿がそんなに義理堅くて情に厚いなんて、私は始めて知ったよ。
犬や猫なら、ざらにある話だけれども。
その少年は流浪の生活を楽しんでいた。
捨て子だってことをさほど気にせず
(当時は珍しいことではなかったのだろう)、
明るくて、元気いっぱい。おじいさんの横で踊ったり、お金を集めたり、
流れのほかの大道芸人仲間と遊んだり、
地元の子どもたちと仲良くなったり・・・
くったくのない見ていて気持ちのよい子
(ショタコンじゃないけど、そそられるわー)。
なんか、フェデリコ・フェリーニの古き良きイタリア映画を思い出す。
けれども、彼はやがて現実を思い知る日がくる。
自分は字も書けないし、何の教養もないということを。
自分と同い年の遊び相手は、年を取ると学校に通いだす。
そんなふうに学校に通って、
いろんなことを勉強している子どもたちのことを
「いいなあ」と羨ましそうな目で眺めて。
そう。彼女が、今の親のところに生まれたのには理由があった。
バイオリンという楽器も、現実には親が彼女に習わせたのだけれど、
彼女の魂が、自分は教養を身につけたい・・・と望んだからのこと。
孤児で、家もなく、学校にも行けず、勉強できなかったから、
勉強をしたい、色んなこと吸収したい!と、
過去生の苦い経験から
そういった経験ができる人生を選んで生まれてきただけなんだよね。
児童劇団に入ったのだって、
その時の大道芸人の子として生きた名残なんだ。
その場所で開かれる名物カーニバルに
あちこちの国から集まってきた芸人たち、
その中にジプシーの劇団もいて、それを見て楽しくて、
人を楽しませる芸人をたくさん知って、
自分もそれができたらなあ・・と思ったり、
それを記憶していたからなんだ。
そして、
普通の親よりも冷たい、事務的な母親を持ったのも、
彼女が自分は日常生活のこと何も身についていないから、
それを教えてくれる人が必要だと願ったから。
まあ、愛してくれる人ではなく、
有能なハウスキーパーで家庭教師として優れた能力を持っている女性を
「母親」として選んだ生まれただけなんだったりする。
さて・・・その孤児だった人生での少年の母親。
実のところ、産んだ直後に死んでしまったので、
その人が彼を捨てたわけではなく、
その赤ん坊を押し付けられそうになった人、
すなわち第三者によって捨てられたようだったんだ。
そして、その亡くなったお母さんは、死んだ後(もちろん成仏してから)、
その少年を見守るように、ガイドの一人としてついていたよう。
そして、今の人生でも補助霊としてつきそっていたりした。
※この場合、補助霊として呼ばれる存在は、
ゆりかごから墓場まで、サポートする人ではなく、
一時的に傍にいる存在のことを言う
一回きりの縁でなく、
転生した魂(魂はあかの他人なのにね)にも心配して、
見守るように側にいてくれているなんて、ちょっと感動する。
そして、その人はパンを作るのが上手な人だった。
(といっても主食がパンだから当たり前か、
日本だとおコメを炊くのが上手な人??)
産んだ直後に亡くなっているから、
一度も会ったことのない親子なんだけど、奇妙なもんだ。
その話をすると、
「私、すごくパンが大好きで、一時、
パン作りにこって、パン焼き機買っちゃったことある」
補助霊の影響ってスゴ。 指導霊でもないのに、あなどれん。
※指導霊と呼ばれる存在は、家庭教師や技術指導者のようなもので、
その人の技能的な部分をサポートするのだ
さて、彼女が始めてうちのサロンに来てくれたのは、
去年の1月。そして、9月にはイタリアに語学留学をしてしまいました。
一ヶ月だけといっていたけれど、その後、連絡が無い。
たぶん、居心地よくてそのまま居ついているのかもしれないね。
いや、もう私のところでセッションを受ける必要がなくなったのだろう。
イタリアに行く直前、パワーアニマルの瞑想をして、
パワーアニマルの守護をギフトしておいたんだけど。
「どんな動物がいる?」と聞いたなら、
「鹿、バンビみたいな、まだ子どもなの」
あまりにもできすぎていて、私は笑った。
(彼女は忘れていたようだったが)
そして、鹿からメッセージをもらって、翌日イタリア行きの飛行機に。
大丈夫、イタリアでは鹿に護ってもらっていることだろう。
過去生の、助けて頂いたご縁もたくさんある土地だからね。
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