2015/10/31

スピリチュアル・カルテNo,6「縁を遠ざける赤い糸」

ケースファイルNo,6「Iさんの場合」


人生は連続していて、終わりがない。
なぜならば、死は肉体がその機能を停止させることであるが、
魂においては単なる「変化」にしかすぎないからだ。
従って、わたしたちは「生まれる」のではなく、新しい肉体に宿り、
それを操って、新しい人生を創る作業を始めるだけのことである。

魂は変わらず、同じものだ。

しかし、その時のジェンダー、交じり合った『別の魂』、
時代背景や環境によって
新たな仮面(キャラクター)が形作られることになる。

生きる時代、人生によって、
その都度、人は性格すらも自由に変換させることができるのだ。
ある時代には開放に生き、
またある時代には、保守的で頭の固い人物として、
人種や民族、住まう土地や取り巻く環境だけではなく、
人は役者のようにあらゆる役柄を演じることで様々な生き方を通しての
「学び」を選んでいるのである。

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「生まれ変わったら、一緒になろうねって・・・」

そう言って涙ぐんでいたのは、アイドルのMさんだった。

別に生まれ変わらなくても・・・そんなに先送りしなくても、
2人ともバツ2で一緒にCDも出せるほど関係修復したのなら、
いまいかがです?とは、マスメディアで誰かがいっていたこと。

でも、その時には本気でも、人の心は変わるもの。
流動的で常に変化しつづけているから、
それを縛ること、約束することは無意味なことだ。

その人は26年間、恋人がいないといっていた。
つまりは、彼氏いない暦=年齢

見た目はふつうの、こぎれいなお嬢さん。

オーラチェックをしたとき、驚いたのは、

その人の左手に、紐が巻き付いていて、
その先にぬけがらのような男性の影がくっついていたこと。

過去生で共に心中した男性の影だった。

とはいっても、生霊とか霊魂というのではない。
まして死霊の類ではない。残留思念のようなものだ。

江戸時代・・・だろうか?

彼女は女郎、遊女だった。
たぶん、よくある話だが、口べらしのため、売られたのだろう。
もしくは貧しさゆえ、家族を救済するため。

客と恋仲になったものの、借金のある身、
足抜けなどできようはずもない。
そして、彼は一般庶民。
女郎屋に通うお金はなんとか作れても、
彼女を見請けする金銭を調達することなどできない。

真剣に恋をした2人が選んだ道。

それは、共に死に、あの世で一緒になること。
来世で、結ばれることを夢見ること。

離れないように互いの手と手を
着物の紐(長襦袢の紐?)で硬く結び合わせ、
2人は池へと身を投げた。

生まれ変わった彼女は、
自分が過去にそんな激しい恋をしていたことなど、
すっかり忘れている(当然だ)。

「周りが恋の花盛りのときも、私だけいつも一人で・・・」

彼女の悩みは実に現代的。
若い娘さんなら、誰しもが思い惑い、憂い、通る道。

私は彼女の霊体に結ばれている紐を切り、
男性の影を消滅させた後、彼女にその話を伝えた。

「・・・そういえば、私、恋人欲しいといいながらも、
コンパとか言って、声掛けられると、
『アタシにはこの人がいるから』って、
まるで自分が既婚者みたいに、振舞ったり、断ったり、
後ろめたく感じたり・・・してた。
しかも、そういうとき、必ず左手さわってた・・・」

そういって彼女はしばし、放心状態。

彼女自身には記憶はなくても、
無意識的に自分の手からぶらさがっている、
2人をつなぐ運命の象徴たる紐と、
その先にある彼の影を大事にしていたのだろう・・・魂は。

残念ながら、その紐は生きた赤い糸ではなくて、
影は影でしかなく、
「いまを生きている」彼の魂にはつながっていなかった。
(そもそもリアルに生きているとは限らないし、
生きていても赤ん坊だったり、うんと年寄りかもだし、
アフリカにいるかもっっ)

また、その紐と影を大事にしていたに関わらず、
いまを生きる彼女は、
そのように引きずっていた過去の恋人とこの話を聞いても、
「会いたい」と思う気持ちはわき起こらなかった模様。

「いやだあ~ 気持ち悪い」

まあ、昔のことですし・・・。


それから、一ヵ月後。
彼女をうちに紹介してくれた、その友人が来たとき、
彼女、に恋人が出来たことを間接的に伺った。

「びっくりですよ! 
今までさんざん欲しがっていたのに全然ダメだったのに。」

まあ、確かに隣に男の影がしっかり張り付いていたならば、
寄ってくる人は少なかったろう。
しかも、彼女自身が「私、人妻なんで!」
って態度で遠ざけてもしまっていたし。

恋人ができて、しあわせで それでよかったと思う。

その後のことは・・・伺っていないので、私には知るすべがありませんが。

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この彼女の左手に結びついていた紐と、
共に池に身を投げた「彼」は当然、実体ではありません。

この次元のものではないので、そうそう見える人もいないし。
万が一、そういうものが見える人には、
幽霊として見えてしまう場合もあるでしょう。
このケースの、彼女にくっついていた「彼」は、
エレメンタルというものです。
想念体というか、残留思念というか・・・そういった類のもの。
なので、「魂」ではありません。

そのとき一緒に死んだ彼、が
一般的に言う幽霊として、彼女にくっついていたわけではないということ。

とりあえず、脱ぎ捨てた抜け殻、
さなぎのようなものだとでも思っておくといいかと。
このケースでは、相手の意志も残っていず、ほとんど「ヒモノ」でしたし。
どちらかというと、相手が遺したものというより、
彼女が創り出したものでしたね。

何で出来ているかというと、生霊なんかと素材は同じなんですけどね・・・
でも、ちょっと違うものです。

これを完全撤去するには、燃やす(実際の火で)のが一番なんですが、
山の中とかだだっぴろい草原でないとね。。。
焚き火もいまは火災の危険があるので、街中では出来ませんから。
燃やせないので、別の方法をとるわけです。
とりあえずの処理ですけど。

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