ケースファイルNo,8「M・Fさんの場合」
その方はもともと、レイキのアチューンメントでいらした方でした。
個人セッションを受けられようと思ったきっかけは、
どうにも眠れないし、身体も重く、
出かけるとすぐ疲労してしまう、とのことで。
まず、椅子に座って話を聞いていると、右側に元彼の生霊(エレメンタル)が。
ああ、これが原因だと・・・。
本人も、別れたあとも、毎週電話かかってくるし、
無視しててもメールも来るし、
エレメンタル飛ばされてる?と、うすうす気づいていたとのこと。
オーラのチェックをしながら、
元彼が飛ばしてくれた生霊に触ると、なんかヘン。
ちゃんと身体作れてないんだな、これが。
胸から上の胸像みたいで・・・つまりは足以前に、下半身がない。
ずいぶん中途半端な生霊だと・・・。
まあ、でも生霊として飛ばされてくるエレメンタルの形って様々で
ものすごいでっかい顔
(妖怪でそういうのいたりします、あんな感じ)のとか・・・
いつだったか私に飛ばされてきたのは、獅子舞みたいなのもあったので
実にいろいろな形をしているものだな、と。
今は昔みたいにちゃんと肉眼で形を見分けることはできなく、
肉眼では、そこにいるなってのが解るだけ。
触ると、形とかが解る程度。
つまりは私は目ではなくて、
触覚としての手で見ることをしているわけです。
頭の中の目も、内観も使えなくはないんですが。
エレメンタルには元彼の情報がてんこもりで
「あ゛ー この人マザコンなんだね」なんて話をしつつ
「お父さんのことは・・・」と言ったなら、
このエレメンタル君、ジタバタと暴れ出したりする。
つまりはお父さんの話をされるのが嫌いらしい。
元彼と彼女は確かに、過去生で一度会ってる。
場所は日本で江戸時代、
元彼が子供だったときに子守のねえやが彼女だった。
けど、それだけ。それ以上にカルマ的なつながりはなかった。
精神的なつながりを深く持ったわけではない。
たまたま、引き寄せてしまったというか、
縁が多少なりともあったから
今回、縁ができちゃったってだけだ。
この彼、実は薬物中毒で今は更正施設に入っていたりする。
彼女は彼を立ち直らせようと、力になろうと頑張ったのだけれど。
もう、手に負えないから、別れて、縁を切ることにした。
それは正解だと思う。
心底、相手のことを愛していなければ、難しい。
肉親でもない限り、相手の人生を背負うのは重すぎる。
施療に入ると、
彼女の腹部に先祖のカルマのエネルギーが
絡み付いているのが解った。
エレメンタルが来ていることによる、
霊的なダメージももちろん大きいんだけど、
日の当たらない、風通しの悪い部屋に住んでいることで、
カビが健康を害する原因であることも。
あとは食生活の偏り。スカートで冬でも
ストッキングだけということからの足の冷え。
次に、彼女のとある過去生が見えた。
それは今の人生のちょうど前・・・だと思われた。
やはり、日本で明治から大正にかけて、あるいは昭和初期?
このあたり時代というか年代がいまいち不鮮明で。
わからないのがもどかしいところ。
ハイカラさん、みたいなそんな感じ。
袴ではなくて、
彼女が着ていたのは着物だけれど、
髪をあんなふうにリボンで束ねている。
家柄の良いお嬢さんって感じで。
恋をして、思い通じ、好きあったものの、妊娠。
相手とは身分違いなのか、結婚することはできなかった。
引き離された、というべきか。
堕胎はできなかったようで、
両親のいいつけで田舎に送り込まれて、そこで出産。
子供は、男の子。すぐに里子に出されてしまった。
彼女は家に戻り、ほとんど自由なく、
大罪を犯した罪人のような軟禁状態。
秘密裏に出産したけれど、人の口に戸は立てられぬもの。
「うわさ」って何処からか漏れ出してしまう。
そのせいで、俗に言う「良い縁談」は来なくなってしまい、
困り果てた両親は、妻に先立たれたという、子持ちやもめの
かなり年上の男のところに娘を嫁がせてしまった。
はっきりいって、結婚生活は不幸だった。
先妻の子はすでに大きく、ほとんど年が変わらないといっていい。
愛のない結婚生活はみじめで、まだ健在な姑との間もうまくない。
普通だったら、ここで思い出すのって、結ばれなかった初恋の人、
子供まで成した人のことだと思うんですけれど、
彼女の場合、母性が勝ってしまった。
十月十日、お腹の中で慈しんで、
生まれてすぐに手放した柔らかい命・・・
に対する気持ちでいっぱいで。
子供に対する申し訳なさ、
育てられなかったことを「赦して欲しい」と手を合わせ、
大きくなって今の養父母が本当の両親ではないと知ったとき、
心がぐれやしないかとか、そんなことをずっと心配していたみたい。
そんな彼女の過去生エレメンタルが、前世での癒されぬ想いが、
両親が離婚したことで心に傷を持ってしまい、
母親に対する愛情と憎悪でいつも葛藤している・・・っていう
むずかしーい男と縁を作る原因になっていたり。
聞けば、いつも付き合う人って、そういう人とのこと。
百発百中くらいの確立で・・・それって確立高すぎます。
だから、元彼とのカルマではなく
彼女自身が作ってしまった「想い」・・・
母として捨てた我が子に対して、申し訳ない、償いをしたいという想いが
母親の愛情に飢えている男を呼び寄せまくりーだったという。
とりあえず、彼の生霊はミイラ化です、ミイラ化。
ドライして冷凍貯蔵。
※あくまで例え話に代えて解説しています。
元彼のエレメンタルは、そのまま本人に戻すと、
呪いがえしと同じになってしまうので、
善玉エレメンタルに練り直して、少しずつ本人に戻すのがベター。
それに生霊は、処分して相手のところに戻しても、
何回でも新しいのを送ってくるから。それでは解決にならないのでした。
こういう場合は元彼のヒーリングも込みでやらないと・・・。
まして、更正中とはいえ、
薬物中毒患者で普通の理性ある状態ではないだろうから
「気づき」を得ることは期待できない。
そんなわけで、彼女に憑いていた元彼のエレメンタルは、
いったんお引取りして、私のところで一時預かりにしました。
そんなふうに、生霊を引き取ること、
アフターフォローもこの仕事には含まれていたりするのです。
さてさて この話にはちょっと感動的なオチがあって、
今回私が見た前世での彼女は、実は知らずに息子さんとあってるの。
つーか、成人した息子さんが、お母さんを見に来た、というべきか。
彼女は本当の親ではない養父母のもとで育った子が、
それを気に病んで、ぐれたりとか、心がすさんだりとか、
親を恨んだりってことを気にしていたけれど、
養父母はいい年になっても子供のできなかった夫婦で、
貧乏だったけれども心は清く正しく美しく?な善人。
縁あって養子として引き取った子のことを実のこ以上に可愛がった。
だから、めちゃ素直でいい青年に育ったんだよね。
彼女だけが、悪いふうに悪いふうに考えちゃってて。
養父母がなくなる少し前、
産みの母は事情があって、お前を手放したんだよ、恨むんじゃないよ、
と・・・手がかりを残してくれた。
彼は、養父母が生きている間は、
実の母と会おうとは思わなかったんだけれど、
相次いで養父母をなくした後に、手がかりを元に探して、
彼女・・・の住む家の前を何度となくウロウロ、
遠くから母の姿を見ようと様子見をして。
ある日、庭で花の手入れをしていた彼女と目があって、
ちょっとした世間話をしたんだよね。
ホント、言葉をふたこと、みこと交わしただけで。
彼女のほうはそれが息子だと気がつかず。
息子さんは書生さん?みたいな格好をしていた。
だから、どこぞの学生さんだと想ったらしい。
彼は母の姿を見て、
優しく言葉をかけてもらったことだけで満足して、
立ち去って・・・それっきり。
それまで、他人事のように自分の過去生の話を聞いていた彼女、
ここのくだりで一気に涙腺きちゃいました。
過去生の彼女、魂が一番知りたかったことなんだろうね。
息子さんは彼女のことを恨んだりはしていなかった。
憎んでもいなかった。
自分を生んだその母にも
事情があったのだろうということをちゃんと理解できる、
とてもいい子に育っていた。
養父母にたくさん愛されて、
とても爽やかな好青年に育っていたんだよ、と。
やっとそこで浄化されたみたい。
もう、彼女が親に愛憎持つ、マザコン彼氏を作ることはないだろう。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
後日談として、
このセッションの一ヶ月後に、
彼女は出会った人とその年のうちに電撃結婚して、他県に引っ越された。
そして、この人生のときの「息子」さんは、
今の人生で彼女の甥っ子にあたり、
彼女は甥っ子の写真をまるで自分の恋人のように、
プロフィールの写真に使用していたりする。
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