2015/11/05

境界線②~ただより高いもの~

まず、先の記事の続きをちょこっと。

何処までを、仕事以外のことでもするか・・・

ここまではよしとし、ここから先は範疇外とする

自らの責任の範囲を明確にしておく、
という意味でも、とても大切なことです。

金銭を頂く、ということは、
それをすることに対して、責任を負うということでもあるので。


私の場合、知人友人が、その人の職業的場面において、
料金的な面でサービスをしてくれるとき、
その気持ちや心遣いを嬉しく思い、ありがたいなあ、と
感謝したりもするのだけれど・・・

あまり度が過ぎると、
そうですね・・・料金を破格にされすぎたりすると、
それが義理(力関係での私に対する気遣い等)と分かる場合は、
どうしても恐縮してしまって、申し訳ない気持ちで、
かえって行きづらくなってしまいます。

それとは別に、正規の料金をとってもらえず、
あまり安くされすぎてしまったりなんかすると、
逆に知り合いってことで、サービスの種類によっては、
不安になってしまう場合もありますね。

その昔、経済的に苦しかったとき、
仲良くなった治療師の人が、事情を知っていたので、
「お金大変だろうから、○○さんは特別! ○○円でいいよ」
みたいに、「えっ?それって安すぎない?」という料金しか、
受け取ってくれなかったことがあります。

それはそれでその気持ちは嬉しいのだけれど、
苦しい生活ながらも、そのサービスが必要と思い、
値段なりの価値を見出したからこそ、
ほかのこととの優先順位をつけた上で、
やりくりして、そのお金を捻出し、予約を入れていたのですが・・・

なんていいますか、行きづらいというのも出てきてしまったし、
馴れ合いになってきてしまった面もあったりして、
安い料金にされてしまった分、サービスも手抜きされているようで、
なんかちょっとなー・・・というようなことがありました。

「ちゃんと正規の料金支払いますから、通常通りの施術でお願いします」

と、言いたくなったり。

でも、そう言っても、受け取ってくれないし、
私の経済事情が改善されてからも、同じというか、
いつまで経っても、「この人は貧乏だから」という扱いで、
うむー・・・ということもありましたね。


そうですね。
知人友人だからというところでのサービスは、
料金は他の人と同じだけれど、
その分時間をサービスしちゃう・・・とか、
飲食店なら、一品サービス、とか・・・
そういうのが嬉しいかなー と、自らの体験上思ったりします。

このあたり感じることとか考えは、人それぞれの価値観ですけれど。


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さて、少し話変わって、
下記はこれまた懐かしい占い師時代の話。


バブルの頃は、イベントの仕事が多く、報酬も美味しいものでした。
日本中がクレイジーだったあの頃・・・
毎日がお祭りのような、浮き足だった当時のことを、
時おり、ほんの少しだけ、懐かしく思うこともあります。

もちろん、あの事象が決して好ましい状況とは思いません。
地上げの問題は多くの悲劇を生みましたし、
物質主義の風潮やら、よろしくない文化も生まれて、
人々の心も都市も荒廃し、
その後に、あまりにも痛いツケを残すことになったけれど、
あの日々を経験した人にとっては、まぶしい季節でもあったかな。
(ああ、年がバレる)


さて、話を戻して。

最近のことは知りませんが、
当時は、企業がなんがしかのイベントを主催するおり、
占い師を呼び、「無料」にて、
お客さんたちに占いをサービスするというようなことが多々ありました。
それは臨時のデパートの占いコーナーのようなものでもあり、
パーティ会場での余興みたいなものであったり。
時に裏方さん仕立ての、とても立派なブースが作られることもあったり、
ともすれば机と椅子を置いただけ(クロスは持参)の簡易なものであったり、
やりやすいところもあれば、やりにくいところもあり、でしたか。

で、たいてい無料か、もしくは通常より破格の料金で、になるのですが、
無料占いほど、しんどいときはなかったりするのです。
地方のデパートで、普段占いコーナーが無いところに行くと、
無料とはいわず、それなりに料金を頂いたりするんですが、
(イベントだと予め日当が決まっているので、お代は企業が管理します)
そんなに並ぶほどお客さんが来るわけではなく、
混み具合によって、時間が調節できるといいますか、
一人ひとりに時間を割くこともできたりするのですけれど、
「無料占い」だと、絶対にそうはなりません。

タダで占ってもらえる、となると、普段占いに来ないような人も来るというか、
占ってもらわなくては損!とばかりに、ものすごい行列が出来てしまう。
整理券配って、何名様まで・・・としてくれればいいのですけれど、
たいていのところは無制限で、見れるだけ見てくれ・・・となったり。
(すべてお客様で、集客と宣伝のためのイベントだから、そうなりますね)

すると一人当たり「五分でお願いします」とか、
下手したら
「一言二言適当なこと言って、出来るだけたくさん捌いてください」

そんなアータ、「無理!」

・・・といいたいですけど、いえるわけもなく。

で、「無料」だし、余興(イベント)の占いだし、
気になることちょこっと聞いてみよー! みたいな軽いノリのものだったら、
さらっと流してということも出来るのですけど・・・
いえホントは、
イベントでの無料占いなんて、そんなんでいいはずなんですけど・・・

無料占いに来るお客さんほど、そうじゃなかったり。


なんだかなって思うのですけど、
無料でたくさん捌かなくちゃ、って大盛況で行列できているときほど、
ヘビーかつハードな相談事の人が来ちゃうのでした。
明らかに、五分でなんかって無理!っていうようなのばかり。

例えば、お客さんの「状況説明」だけで軽く10分は話されてしまう、とか。
占いというよりも、人生相談で愚痴で、それは懺悔ですか?というような、
延々と「聞いてください!」と、みのさんにバトンタッチしたくなるようなのとか、
家族全員(しかも二世帯8人分)の名前と誕生日を書いた紙を持参し、
「全員の詳細な運命とこれから、+子孫繁栄」について見てくれ・・・とか。
あまりにも込み入ってて複雑な悩みで、
ブースの外に待っている人に聞かれるのも憚られるような深刻な相談とか。

うーん・・・。
イベントの簡易な無料占いなんかでなくて、
じっくり時間とって真剣に取り組める、有料の占いに行ってくださいよ!
と、言いたくなるようなケースが多かったですねー。

それでいて皆腰が重く、「すみません。一人5分しか時間がないんですよ」

と、お断りしてもなかなか・・・
見かねたイベント担当者がその旨伝えても、ゴネる人はそれなり。

まあ、いえていることはよっぽとヒマな場所でない限り、
イベントの無料占いで、きちんとした相談に乗れることは不可能。

けれど、上記の例として出したような人たち・・・
「無料占い」にガッツリ来る人って、
「お金」を払ってまで、はイヤだったりするのね。

なんていうか、そこまでして自分の人生に投資はしたくないのでしょうね。
悩んでいる、問題だ、知りたい・・・といいつつ、
お金は払いたくない、安く済ませたい、得をしたい、という気持ちが強くて。
まーだから、いつまでたっても、「解決」もしないわけなんですけれど・・・。
(解決しようと、積極的に行動していないから)

そういう意味では「お金」を支払うという行為は、
お金を払ってアドバイスを求めるという自己投資であり、
その人の覚悟の現れ、問題意識の高さでもあるのでしょう。
形はどうあれ、積極的に自分の問題を解決しようというリアクションでもあり。

「タダ」で提供されることで「得」をしようとする人たちと
一件「損」とも取れる「対価」という代償を払うことを選ぶ人たちと、
その間にあるのは、そうした「差」なんだよなあ~ と思いつつ。


これは占いやスピリチュアルなことに限らず、
すべてのことにいえる事ですよね。
知識を得ることや資格や技術を習得することもそう。

無料で得られるサービスを利用するのも、賢いやり方だけれども、
無償で提供されることばかりに頼っていては、
それ以上のものを得ることはできなかったりする。

もちろん、お金を払って通ったからといって、
その時間、学んだことをすべて吸収して、役立てるということもない。
一のことから十を学べる人もいるけれど、
十のことから一しか学べない人がいるように。

また、提供されているサービスが、
設定されている料金に見合った内容のものであるという確実性もない。

それに、価値ある経験というのは、お金に換算できるものではないし。

これは占いやスピリチュアルなことに限らず、
すべてのことにいえる事ですよね。
知識を得ることや資格や技術を習得することもそう。

無料で得られるサービスを利用するのも、賢いやり方だけれども、
無償で提供されることばかりに頼っていては、
それ以上のものを得ることはできなかったりする。

もちろん、お金を払って通ったからといって、
その時間、学んだことをすべて吸収して、役立てるということもない。
一のことから十を学べる人もいるけれど、
十のことから一しか学べない人がいるように。

また、提供されているサービスが、
設定されている料金に見合った内容のものであるという確実性もない。

それに、価値ある経験というのは、お金に換算できるものではないし。
まあ、でも、タダで提供されるからといって、
必ずしも「良くないもの」ということもなく、
掘り出し物があるのは事実だけれど、
すべての人が受けられる「安いサービス」ばかりに頼っていても、
その人が本当に必要としているものに
出合える確立というのは少なくなるばかりで、
「質の高いサービス」を受ける機会を逃していたりするんですよね。

有料無料に関わらず、
本当に自分にとって必要で、価値のあるもの、に、
時間もお金も使っていただきたいものです。


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【おまけ】

ここ数年、イベントの仕事はしていませんが、
都内はともかく、地方などに出張に行けるのは楽しかったですよ。
泊まるのはだいたいビジネスホテルで、
感覚としてはサラリーマンの出張と同じですが。

宿泊は当日か前日のみで、長逗留もしないから、
観光をする時間こそないものの、
その土地の食べ物を食べたり、
見知らぬ景色や街の雰囲気を楽しんだり、
新幹線や飛行機の移動中(とくに帰り)、
駅弁を食べ、ビールを飲んだり・・・とかとか。

出来るなら、観光もしたかったですけどねっっっ(笑)

そうそう変わったところでは、
企業ではなく、個人の依頼で地方に行くこともありました。
何人かの人たちがグループとして、
私の交通費と宿泊費を割り缶で出し合って、呼んでくれたというもの。
確かに、個人一人ひとりが都内に出てくる交通費などを考えたとき、
複数の人がサービスを受けたい場合には、
一人分の旅費と宿泊費を人数分で割るほうが安いですものね。

温泉宿の部屋やカラオケBOXの中で仕事をするというのも、
とっても新鮮で、面白い体験でした。

で、泊まったお宿の露天風呂がサイコーなロケーションだったなー。
(山菜料理が美味しかったでーす)

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