2015/11/01

2013 レポートNo.6 「W・Aさん」


振り返りのレポート

■学ぶことに対する内面の変化

1(喜び・意欲)新しい知識を得ることが楽しい
   ↓
2(とまどい・焦り)分かった気になることと出来ることは別物だ
   ↓
3(落ち込み・厭世)自分には出来ない、もう何もかも投げ出したい
   ↓
4(許し・激励)完璧を求めなくていい、出来ることからやろう

半年の基礎講座の頃は、何もかもが新しく
その知識は今までの自分の価値観を飛び越えたものだったので
閉塞感を感じていた私は未来が開けたような明るい気持ちになりました。
知識を持ったことで人生を生きやすくするための
パスポートを手に入れたかのような安易な安堵感を持ったのです。

しかし、グループレッスンで他者との関わりあいが
テーマとして挙がってきた頃から
自分自身の欠点を目の当たりにして愕然としました。
「分かった気になっている自分」と「うまく対処できない自分」
とのギャップにとまどい、焦りばかりが増えていきました。

いよいよ重い腰を上げて取り組まざるを得ない状況になった時
まるで崖っぷちの、目の前に道がない場所に
追い詰められてしまったという絶望感に落ち込みました。
変化を求める一方で変化への強い不安や恐怖を自覚しました。

道を間違えたのなら、また戻って違う道をやりなおせばいいのだと
こんな不完全な自分でも尊重してあげて
出来ることからやってみようと思えるようになったのは
アルマさんとのやりとりの中で、
自分の狭い世界での思い込み(~でなければダメだ)を
(本当にそうだろうか?)と別の角度からのアプローチを覚え
ひとつひとつ解きほぐしてこれたからだと思います。

2と3の状態になってしまうこともまだ多いけれど
1の感覚を頼りに4の部分を意識して少しずつ増やしているのが現在です。


■グループレッスンで学んだことと関連する自分の変化

他者との関わり合い方について
私はずいぶん無意識というか、無関心だったことに気づきました。
いつも思い出すのはヤマアラシのジレンマ。
他者と親密に関わり合いたいという欲求はあるのに
拒絶を恐れて最初から近づかないという自分のパターンを
当たり前のように受け入れていましたが、
それは親密をあきらめ孤独を受け入れただけだとも気づきました。

そのジレンマを克服して適正な距離をつかめるようになりたい、
ここで学ぶことでそれが実現できるのではないかという
強い思いと希望が根底にあり
意識的に他者に関心を持つ努力をするようになりました。

すんなりと適正な距離をつかめるわけではありません。
それでも、次に何をしたらいいのか、道が開けたことは大きいです。

もともと素質がないから無理だろうという諦めを脱し
繰り返される失敗をものともせず再び奮起させ努力を続けるためには
ありのままの自分を認め、信頼してあげるという
自分自身のサポートが必要だということにも痛感し始めました。

ジレンマと同時に、長らく他者に対しての甘えもありました。
どこかで、誰かが気にかけてくれるだろう、配慮してくれるだろう、と
理想を相手に押し付け、してくれる人は心の広い人格者、
してくれない人は相手の素質であり自分にはどうしようもない部分だという
責任転嫁は傲慢なものでした。

相手も自分と同じように悩み日々自分の事で精一杯なので
他者の世話などするヒマはないかもしれないという
相手の立場を思いやる視点が持てなかった私は
ぽつんと玉座に座り、世話してくれる人を待ち続けていたのです。
そこにいては孤独は増すばかりです。

自分を世話できるのは自分だけ、つまり
自分を成長させ育むことができるのは自分だけなのだと気づき
努力すれば変化できると自分の可能性を信頼する領域が増えたことは
ふらふらと迷いながらも学び続ける活力にもなっています。

道に迷った時、自分の現在地を客観的に把握できる視点が必要です。
自分だけが持つ情報や視野での現在地情報は
ぼやけてしまい見誤ることも多々ありました。
他者や現実は自分自身を映し出した鏡であるという目でとらえると
だんだんとつかめてこれるようになりました。
人の振り見て我が振り直せ、の実践です。

スクールで自分自身が指摘され気づくことはもちろん
他者が指摘されていることを自分にも必要な箴言であると
何度もハッとしてきました。
お互いをありのまま認め許しあうことも必要だとは思いますが
それが愛なのか互いの甘えからくる堕落なのかが分かりにくいため
何でもかんでも受け入れることを良しとする傾向のものには
強い抵抗がありました。

叱ってくれる人、たしなめてくれる人、
身を持って「これ失敗例です」と示してくれる人がいるグループでの学びは、
自分が成長するためには厳しい道も必要という私のニーズに合致し
心の拠り所にもなっています。


■今後の課題

自転車に乗る、泳ぐ、など理論ではなく経験でつかむのと同じで
ちょうどいい他者との距離、ちょうどいい客観性、ちょうどいい自己愛など、
バランスをつかむためには何より経験を積むことが
自分にはもっと必要だと思います。

出来ないことを叱って震え上がらせる自分だけでなく
小さい歩みでも認めてあげて応援してあげる自分を増やしていくことも
自己嫌悪で動けなくなりがちな自分には必要だと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿